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タイムパラドックスを克服するには

 ペロペロ二等兵

 「未来や過去に行ってみたい」そう思ったことがある人は多いのではないだろうか。私自身、何かに失敗した時に「過去に戻ってやり直したい」とか、「楽しかったあの頃に戻りたい」と何度も思ったことがある。そんな人間の願望が関係しているのか、今日にも、登場人物が過去や未来に行き来するタイムトラベルを題材としたアニメや映画の作品が多く存在する。そして、それらの作品の多くでタイムパラドックスという問題が扱われている。

 

 

タイムパラドックスというのは、過去にタイムトラベルを行った際に過去の事象に介入することで、改変された過去の事象とすでに観測されている未来の事象との間に起こる矛盾のことである。このタイムパラドックスを説明する例として有名なのが「親殺しのパラドックス」である。自分が生まれてくる前の時代にタイムトラベルをして自分の親を殺すと、結果的に自分は生まれてこないということになる。するとタイムトラベルをしている自分は存在せず、タイムトラベルすること自体ができないというものである。

 

 タイムパラドックスを解決する方法はいくつか存在する。それらの方法の一つに、パラレルワールドの存在を認めるというものがある。パラレルワールドというのは、ある世界の他にどこかの時間軸で分岐し、それに平行して存在する世界のことである。これを上記の「親殺しのパラドックス」に当てはめて考えてみる。過去に遡って自分の両親を殺したつもりが、自分が存在する今の世界の過去に行くことはできずに自分の世界によく似たパラレルワールドに行っていたので、元の自分が存在した世界には何の影響も及ばないということである。その他にも、パラレルワールドの存在を認めると様々な可能性が出てくる。先にあげた例では自分の世界は変わらないというものだったが、未来が改変される場合もある。過去の事象に関わったことにより、時間軸が分岐して未来が改変され自分がいた世界には戻れないというものである。

 私が考えるタイムパラドックスを解決する方法は、過去の事象に介入して未来を改変したとしても、自分が元の世界に戻るころには改変した未来が修正されるというものである。これを先ほどと同じように「親殺しのパラドックス」で考えてみると、自分は親を殺したつもりであったが、未来に戻って調べてみると実際には親ではなく別人であったという風に解決される。このように、タイムパラドックスは解決しがたい問題のように思えるが、解釈の仕方次第でいかようにでも回避することができる。

SCHEDULE画像提供:https://flic.kr/p/9pGgQg​、Sweetie187/flickr

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